神様の将棋の指し手を100点としたら、いまのプロ棋士(たとえば羽生さん)の指し手は何点くらいなんだろう?
ぼくらアマチュアからすると、羽生さんの指し手は常に「正解」にしか見えないけど、神様から見たら、じつは20点程度かもしれない。
プロの仕事は”最善手を追究すること”と言うし、その成果が「定跡」として整備されているけど、その完成度は果たしてどのくらいなんだろうか。将棋の初手は、本当に7六歩とか2六歩とかがいいのか? 本当は1八香が最善手かもしれない。そんなのは神様しか知らない。
そんなことを思うきっかけになったのは、年初の頃になるが、米長永世棋聖がボンクラーズ(コンピューター)と対決して、完敗を喫したからだ。ずっとニコニコ動画で生中継を見ていたが、淡々と指しているボンクラーズが、米長棋聖をあっさりと倒したのに、やたら不協和な印象を受けた。
神様の指し手を100点として、羽生さんや米長棋聖の指し手が20点くらいだとしたら、コンピューターが人間を破ったというのは、理論計算の末、せいぜい20点を越えたということに過ぎない。
今後、コンピューターのアウトプットが上がっていき、50点の指し手が指されたときには、もはや人間には理解できないという事態が起こるのか。怖いけど見てみたい。