三年くらい前に、突如起きたマイブームが世界史。
その勢いで、ロバーツ著「世界の歴史、10巻、新たなる世界秩序を求めて」を買っていた。
当時、何度かお世話になっていた立花隆が、本書のあとがきに「日本の成人すべてに読んでほしい現代史三冊」という文章を書いていたのが決め手で、これまた、日本の成人すべてに読んでもらいたいような名文。
そして三年越しにこの本を本棚から取り出し、いまさらながら、のっそり読み出した。
ロバーツ節はとどまることを知らず――
僕らの目から見ると、21世紀の現代は、イデオロギーが冷戦から宗教問題へと移ったととらえるが、ロバーツの手にかかると、大航海時代から帝国主義にかけて全世界へ乗り出したヨーロッパ支配の世界観が、第一次世界大戦あたりから調子が狂い、第二次世界大戦以降、その崩壊は加速化し、現代はその渦中にあると。
なるほどこれは壮大だ。
そしてやけに腑に落ちる。
まるで、氷河期は過去のものではなく、いまは氷河期と氷河期の間の暖かい時期なんだと言われるような視点の転換で。
そういう見方もあるものか、と
ロバーツの本を取り出した理由は、この間の爆問学問に、明石康が出ていたから。
氏が語る印象的な交渉が「ユーゴ紛争」だったというにもかかわらず、それがどういうものをまったく知らず「これはいかんなぁ」と思った次第。
科学をやる上で世界史は必須の教養だとずっと思っていて(それはそれでぼちぼち勉強はしていたのだけれど)、
というのも、いまの研究を客観視するには遠からず科学史が必要で、それも少し時代をさかのぼると、間もなくルネッサンスあたりで世界史とぶつかる。世界史と科学(と哲学とキリスト教)は、切っても切れない関係にあるんだなー、と実感していた在学中。
そう分かっていても、目先に仕事が山積していると、そちらまで手が回らず。
ここいらで本腰入れて勉強しようと決意。
全十巻と長いシリーズだが、一ヶ月に一冊のペースで読んでいけば、一年がかりでお釣りがくる?
そんな皮算用をしたこの週末。