昨日までのあらすじ。 耐えがたい腹痛を感じたのが一昨日。
一晩眠ると痛みはやわらいだが、右下腹部にしこりのような鈍痛が残る。
食あたりと思っていたが、同僚に勧められて病院にいくと、「典型的な虫垂炎」という診断を受けた。
このところ盲腸は薬で治ると聞いているも、お医者さんには「ここまで腫れると、基本的には手術の適応だね」と言われる。手術となると勇気が要るので、決断を保留した。
そして今日。 一晩かけて「手術は辞せず」の覚悟を決め、さらなる診断を受けるべく病院に。
すると・・・
D「その後、調子はいかがですか? まだ痛いですか?」
I「少し痛いですけど、昨日よりはおさまってきました」
と、触診をしだす先生。
D「ま、これなら薬で散らして、大丈夫そうだね」
せっかくの覚悟が・・・
薬という選択肢が、一気に魅力的に見えてきました。
D「どうしましょう。手術がイヤでしたら薬で様子を見る選択肢もありますし、いっそ切断して憂いをなくすのもありですし。薬がいいという人に、手術をするのもなんですし」
I「薬で治すと、再発するとよく聞きますが?」
D「盲腸の中には再発しやすいタイプがあってね。あなたのは違いますよ。ただ、再発しないとはいえないですけれど」
I「それは薬では完治しないということですか?」
D「すでに痛みがやわらいでいるので、炎症は治まってきて、膿がだんだん出てると思います。これから薬を飲んで痛みが止まっていけば、膿が除かれると思いますよ」
I「えっと・・・それは完治ということで?」
D「完治というか・・・膿が完全に除かれるとは言い切れないですし、痛みがなくなったからといって手術をしなくていい、というわけではないんですね」
I「うううーーーん」
D「まあ、今週末まで薬で様子を見て、それでも痛みが引かなければ、手術をしましょう」
やたらと平行線ですが・・・
お医者さんからすると、完治するのは「虫垂を切り取ったとき」で、薬で治すかぎり完治はありえない。ただ自分は「いまの症状がもとの状態に戻る」のが完治のイメージで、人並みの盲腸発症率はいとわない。
このかみ合わなさに、話しながら苦笑い。
ただこれは「インフォームド・コンセントの弊害」の典型例か。
手術にせよ薬にせよ、どちらもメリット/デメリットがある。
それぞれを丁寧に説明されても、「どちらにしますか?」といわれて答えは出せない。
結局、自分の答えと心中する勇気がないから。
今回は盲腸だからまだしも、これが不治の病となったとき、決断できる自信はない。
インフォームド(患者に情報を提供)して、患者の判断に基づくコンセント(同意)を得るのが”建設的なやり取り”とはいえ、下した判断に自信が持てるものかどうか。
ネットや医学書でどれだけ理論武装しても、専門家にはかなわない。
自分としては、信頼できる専門家の判断に任せたいな、と。
今回は、最後の最後で「手術 or 薬」のガイドラインを提示してくれたので一安心。
こうして抗生剤と痛み止めを処方されたけど、副作用で下痢がべろべろです。