昨日の夜まで、一週間飲みつづけて、ぐだぐだな状態です。
そうはいっても、週末は関東で旧知をめぐり。
おかげさまで、風邪をひきました。
酒か、はたまた疲労か。
でも、とっても新鮮な週末でした。
興奮したので、思うところを。
身の回りにはメディア論に興味が強い人が多く、自分も好きで乗っかってしまいます。「世の中の報道は、基本ネガティブだよね」と、ブラックにもりあがってしまいました。
そしたらタイムリーに、日曜日の朝「The サンデーNEXT」で、麻生さんの失言問題をとりあげ。起き抜けでげんなりしていたところ、北村弁護士が噛み付きました(
抜粋)。おもねらない態度に喝采です。
要約するなら、
・編集で「失言」を仕立て上げるマスコミのやり方は卑劣
・麻生さんは一般の人にわかりやすいように心がけて話すから、その手の編集がやりやすい
「
女性は子ども産む機械」といって辞任した柳沢さんは一年以上前になるけれど、そのときにも同じ違和感を感じました。やっぱり言葉は独り歩きしますね。
旧知巡りをしたきっかけは、東大で講演する機会があったからです。
「
科学技術インタープリターによる社会への発信 〜修了生からのメッセージとプログラム間の交流〜」
終わってから宣伝しても意味がありませんが、むかし取った杵柄をひさびさにしょいこむ感じで、楽しかったです。
インタープリターで学んだことは、科学をやる上ではつねに「相手」ありき。それは伝える相手であり、還元する相手であり。
製薬企業に話をからめると、相手というのは患者。
この論理をさらに突き詰めると、
「儲からない薬を作らないのはどうなの?」(企業努力が足りないだけ?)
「製薬企業はしのぎを削らないといけないの?」(全世界に一社にすれば?)
「新薬を作らないといけないの?」(いまある薬のやりくりで十分では?)
なんてところまで。
ところどころ飛躍してはいても、それぞれ一考に値する疑問な気がします。
STSを今後やっていくことは少なくなると思いますが、こういう自由な発想ができるようになったのは、インタープリターのおかげです。
製薬企業で働く大義に「患者のために」を掲げるのもいいけれど、そんなこというなら、医薬品の審査機構に入るほうがよっぽど現実的です。なにせ距離が近く、即効的。
そんなことを考えていたら、先週の学会で、タイムリーにPMDA(
医薬品医療機器総合機構)の人が講演をしていました。すごく興味深い。
すると今度は、週末に飲んでいた友達が、PMDAへの就職を考えているという!
なんたる偶然。アンテナは伸ばしておくものです。
たしかに、おもしろそうです。いますぐ転職することはなくても、研究者として満足したあかつきには、触手が動きそうです。
インタープリターの人たちにはいろいろな本も教わりました。
ひきだしの数に脱帽です。
・ハダカデバネズミ(岩波科学ライブラリー)
名前があほです。
そして哺乳類なのに、アリやハチのように、女王がいます。兵隊係もいれば、働き係もいて、極めつけに「ふとん係」というものもいます。
気になって仕方がなく、買ってしまいました・・・見た目かわいくないけれど、読んでるとかわいくなってきます。。。
ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)
吉田 重人,岡ノ谷 一夫
・大学受験に強くなる教養講座(ちくまプリマー新書)
教養というよりも、科学史? 高校生には難しい気が・・・
コミュニケーションには三つのレベルがあり、「発話のロジック」「場のロジック」「関係性のロジック」からできている(P.51より)。
正しい言葉をしゃべり(発話)、その言葉を発する周囲の環境(場)があり、その言葉を発する人と受け取る人の間柄(関係性)がコミュニケーションに必須。
北村弁護士の叫びも、つまるところ「場」と「関係性」の大事さですよね。
大学受験に強くなる教養講座 (ちくまプリマー新書)
横山 雅彦
・アフリカ・レポート(岩波新書)
売れてるらしい。「
もの食う人びと」ばりのルポが楽しめる予感・・・
アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書)
松本 仁一
もの食う人びと (角川文庫)
辺見 庸