一人暮らしを始めたら、必ずや優雅な生活を送ろうと心に決めていた。とはいえ、学生風情で金銭的に無理はできないから、せめて精神面だけでもあたたかくいたい。ただでさえ一人さみしい生活だとなおさらだ。家にいるときは、カフェ気分でBGMにひたるのが一興。
リラックスをしたいときには、エンニオ・モリコーネによる「Cinema Paradiso」のサントラ。やわらかい弦楽のオーケストラにのって、そしてときにポップスな雰囲気があたたまる。そういえば、小泉純一郎首相が監修したモリコーネ特集はどうなったのだろうか。モリコーネなら、数あるフィルム・コンポーズの仕事のなかでもCinema Paradisoが一番だと思う。
ルロイ・アンダーソンは、オーケストラのポップス・シーズン用にたくさんの曲を書いた人。この人の曲は、不思議と元気が出てくる。「トランペット吹きの休日」を聴いていると思わず走りたくなるし(トランペッターの友人によると、かなりの技量の演奏者が3人必要な難曲とのこと)、あまりにも有名な「タイプライター」には、いつも脱帽する。タイピングと改行の音を使おうという常識はずれな発想力がうらやましい……
クラシックとの融合ならば、ジャズとのフュージョンを果たした「ラグタイム」。どこか一筋縄に行かない曲調に、気持ちがプッシュされる。なかでも「ラグタイムの父」と言われるスコット・ジョプリンが一押しだ。
代表的な「ジ・エンターテイナー」を聴いていると、我慢をしていても元気が出る。「スティング」で取りあげられてリバイバルヒット。あまりにも有名なため、題名でピンと来なくても誰もが知っている。
20世紀初頭に流行って、クラシックからジャズへの橋渡しをしたといわれるラグタイムだが、フュージョンという中途半端な位置のためか、短い盛り上がりの後にジャズにその座を引き渡したのが残念だ。
リバイバルソングと言えば、「fly me to the moon」も名曲だ。1960年代くらいの定番曲で、もともとは3拍子の曲だったが、4拍子のボサノバに編曲されてからいい味を出したようだ。確かに3拍子の曲は独特な味わいで……「言い換えれば」今ひとつか!? 数年前には宇多田ヒカルもカバーしていたはず。
そんなボサノバは、日曜日の昼間にコーヒーを飲みながらゆっくり聴くのがおつだ。
といろいろあるが、寝覚めはビートルズ。それもまた一興。